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夏の蝶
大学の夏休み、アルバイトから帰るとすぐに飼い犬のロンを散歩に連れ出すのが私の日課だった。 ある日の夕方、いつもの散歩の途中、藁葺きの御堂へ続く田んぼ沿いの道を歩いていると、突然夕立が襲ってきた。子どもの手のひらくらいの大きな染み跡が足元に次々と落ちかかり、みるみるうちに道路...
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瓢箪池
私は、遠い記憶を呼び覚ます。それは瓢箪池と名付けられた龍の涙のような池のことだ。 中学1年の夏休み、例年7月31日は、全校登校日で、生徒会主催の半日ハイクが行われることになっていた。朝から肌を焦がす陽射しが照り付け、校庭に整列しているだけでも体中の汗がしぼり取られてしまうよ...
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