top of page

胃カメラ体験記


 食欲不振が続いていたので、胃カメラをすることにした。事前の血液検査でCRPの値が0,04だったので、炎症的なものはないということはわかっていた。ストレス性の食欲不振であることもわかっていた。しかし10年前に検査を受けて以来ずっと胃カメラをしていなかったので、60歳を前にこの辺でやっておいてもいいかなと思ったので検査を受けることにした。

 地元の内科医院、9時40分の予約で、時間ぴったりに検査室に呼ばれた。まず看護師の女性から、胃の泡を取るシロップですと、小さな紙コップを渡された。50㏄ほどの生暖かくてぼやけた甘みのあるやつ。飲んだ後ベッドにうつぶせで3分ぐらいじっとしている。

 そのあと仰向けになって、のどの麻酔剤らしいとろりとしたものを注射器で注入され、それをのどにためておいてと言われて3分ぐらい。次にそれを飲めたら飲んじゃってと言われて、なんとか飲み込む。すでに麻酔がのどのあたりに効き始めている。

 次に胃の動きを止める注射を腕にされ、このあたりで、医師登場。看護師さんにダメ押しの苦い液体を口中に含ませられ、左下でベッドに横になり、その苦いやつも飲めたら飲んじゃってと言われて、顔をしかめながらなんとか飲み下す。やっとマウスピースみたいのを口にはめられていよいよ胃カメラ。直径5ミリぐらいの細いやつだ。

 看護師さんは最初だけ苦しいけれど、すぐに楽になりますよ、リラックスして、とずっとそばで声掛けしてくれて、4~5回吐きそうになったが、管がのどを通り胃に落ち着くと、さほど大きな苦痛は感じなくなった。

 医師は無言でモニターを注視している。モニターに映し出された私の胃の中はわりときれいで、大丈夫そうな感じはした。胃カメラは5~6分ぐらいで済んだと思う。

 10分後ぐらいに診察室に呼ばれ、とくに悪いところはなさそうです、大丈夫ですよ、と開口一番に言われた。ちょっとしたびらん、ちょっとした赤いところもあるが、それはすぐに治ってしまうたぐいもので、ピロリ菌もないので、大丈夫とのこと。ただでこぼこしたところが1か所あって、光を変えたりして調べたが今のところ心配なものではなさそうだが、今後何かの変化が起こる可能性もあるので、機会があったら検査を時々していたほうがいいですね、とのこと。

 要再検査、要精密検査ということもなく、まあ普通の食欲不振だろうからと、胃薬をもらって帰ってきた。翌日まで、やや喉が痛かった。

bottom of page