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鏑木詩集(新)
鏑木詩集(新)


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大学時代の記録
●「五行歌・坪庭のつわぶき」
(2025年5月)
視力
自転車で通り過ぎながら
遊歩道のツツジの植え込みの中に
枯れかけたヒメジオンが何本も
紛れ込んでいるのを見る
あまりに見慣れ過ぎて
もう私はそれらから
言葉を紡ぐことができないのだ
くっきりと
はっきりと
細部まで見通す視力もなくして
輪郭のぼやけた風景の中にいる
美しさの裁定まで
ぼやけはじめている
「月が二重三重に見えてね」
「私もですよ」
そんなことを友人と言い合って
自嘲する
失ったのは
健やかな視力だろうか
若々しい感性だろうか
今まで作成した詩集
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