太極拳・気功教室(川崎市多摩区・麻生区)
初心者の方は、実際に指導者が動く姿を見て、流れや大体の動きを真似ることから始めてください。続けていくうちに必ず覚えていけます。
文字での説明が腑に落ちるようになるのは、ある程度套路を通せるようになってからです。
24式太極拳
予備式(ユーベイシー)
まず右足に重心をかけて膝をゆるめてから、左足をゆっくりと肩幅に開いていきます。つまさきからついて、かかとが下りていきます。重心は均等に両足にかかっています。馬歩(マーブー)の姿勢です。
1、起勢(チーシー) 準備の姿勢
両腕を胸の前に上げていき、ゆっくりとおなかのあたりまで下ろしていきます。腕を持ち上げる時に息を吸って、下げる時に息を吐きます。力を抜いて気を丹田にこめます。
※起勢(チーシー)は最後の収勢(ショウシー)と呼応しています。重心が両足に均等にかかっているのは起勢と収勢の時だけです。あとはずっと重心はどちらかの足に多めにかかっているか、または片方の足にほぼすべての重心がかかっている状態です。
腕を下げる時に腰を少し落とし、膝も緩めます。この膝の緩みを収勢まで維持していくようにします。
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2、左右 野馬 分髪(ズオヨウ イエマー フェンゾン)
野原を駆ける馬のたて髪を分け開く。 3回行う
1回目
起勢(チーシー)のあと腰をやや左に回転させ、右足に重心をのせて胸の前にボールを抱えます(右手が上)。左足をかかとからまっすぐ前(正面を南としたら東の方向)に着地、重心を徐々に前に移していきながらボールを持った手を前後に分け開いていきます。
後ろの足(右足)は、かかとを蹴り出し、つま先が南東を向くようにします。その際、手の動きに引きずられて身体が前傾していかないようにします。上体はずっと真っ直ぐに立てたままです。
ボールを持っていた上の右手は下がっていき右腰のあたりを押さえています(手のひらは下)。ボールを持っていた下の左手は前をはらうようにして鼻先の高さ。腕はあくまでも前後の動きで、左に開いていき過ぎないようにします。
弓歩(ゴンブー)の姿勢となります。
2回目
重心が乗っている前の足(左足)のかかとに力を入れていき、再び重心を後ろ(右足)に移していきます。前の足(左足)のつまさきを少し上げ45度外に開いて、その足(左足)に重心を移していきながら、胸の前にボールを抱え(左手が上)、後ろの足(右足)を引きよせます。その足は着地することなく前(東方向)にまっすぐ振り出し、かかと着地。重心を前(右足)にかけていきながら両手を前後に分け開いていきます。右手は鼻先の高さ。左手は腰のあたり。
3回目
再び、前の足(右足)のかかとを意識しながら重心を後ろの足(左足)に移して、前の足(右足)のつまさきを45度外に開きます。その足(右足)に重心を移していきながら胸の前にボールを抱え(右手が上)、後ろの足(左足)引きよせます。その足は着地することなく前にまっすぐ振り出し、かかと着地。重心をその足(左足)にかけていきながら両手を前後に分け開いていきます。左手は鼻先の高さ。右手は腰のあたり。
注意
足を前に出すとき
●(横の幅)後ろの足と拳1個半ぐらいの間隔をあけるように踏み出します。踏み出した足を後ろに引いて後ろの足とぶつかったり、触れ合ったりしないように。前に出ている足に7ぐらい、後ろの足に3ぐらいの重心がかかっています。
●(高さ)前進するために足を上げるとき、高さはくるぶしの高さぐらいまで。大袈裟に高く上げないように。
(後退していく動作のときもすり足気味に後ろに足を引いていきます)
●膝はつまさきより前に出てはいけません。
※左右野馬分髪は、左手払う、右手払う、左手払う、の3回行います。一瞬も動きを止めてはいけません。相手の攻撃を払っています。腕だけの動きだけではなく肩甲骨から腕を動かしていくイメージ。攻撃を加えている動作であることを意識してください。
※腰は柔軟に足の向きに添って回転していきます。
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3、白鶴 亮翅(バイフー リャンチー) 白い鶴が羽を広げるように。1回行う。
野馬 分髪(イエマー フェンゾン)が3回終わったら、前の足(左足)に重心をかけて、手は前でボールを抱え、後ろの足(右足)を半歩前に寄せます。
前の足にかかっていた重心を再び後ろの足(半歩寄せた右足)にかけていきながら、ボールを持った下の手(右腕)は顔の右斜めに立ててあげていきます。持ったボールをつぶしていく感じ。
左手は下に下ろしていき前を払います。
腰の回転と視線・・・ボールを持った手を上下に分け開くにつれて腰は右に回っていき、左手が前を払う動作に合わせて腰を正面に戻します。
視線は、上がっていく右手をちょっと見てから正面に戻します。
前の足(左足)はつまさきをちょんとついている程度(虚歩)。
※白鶴 亮翅は1回だけ行います。相手の攻撃を払いのける動作です。
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4、 左右 楼膝 拗歩(ズオヨウ ロウシー アオブー)
膝前を払いながら前に進む。3回行う。
・あがっている右手を前に下ろして正中線を切るようにします。同時に下がっていた左手を一旦左に開いてから前を右に払っていき、右腕は右側に開き、左手は右肩にセットします。
・虚歩の左足つまさきを少し引き寄せます。手の動きに合わせて腰はやや右に回転しています。
※この準備姿勢から楼膝 拗歩(ロウシーアオブー)の動作に入っていきます。楼膝(ロウシー)は「膝前を払う」ということ。拗歩(アオブー)は「前に出ている手と前に出ている足が逆」ということ。(右手が前を押していく時、左足が前に出ている、左手で前を押していく時は右足が前に出ている)
1回目 右手折って左手おろして、かかと着地、膝前払って押す
・右に開いている右手を曲げ、右肩の前にある左手はおなかの前まで下ろします。左足を前に振り出してかかと着地。まだ重心は後ろの足(右足)。
・そこから止まることなく前の足(左足)に重心をかけ、おなかの前にある左手は膝前を払い、右手は正面方向に押していきます。
・押す、払う、重心の前方移動は同時に行います。
2回目 開いて左手折って右手おろして、かかと着地、膝前払って押す
・重心を後ろ(右足)に戻します。前の足(左足)が緩むのでつまさきを45度外に開きます。その足に重心をすぐに乗せていきながら、左手は左側に開き、右手は左肩にセット。後ろの足(右足)を引き寄せます。
・左腕折って、右手下に下ろし、右足をすぐに前に振り出しかかと着地(まだ重心は後ろ)
・一気に重心を前に移動しながら、右手で膝前払って、左手は正面方向に押していきます。
3回目 開いて右手折って左手おろして、かかと着地、膝前払って押す
・重心を後ろに戻し前の足先を45度開きます。右手は右側に開き、左手は右肩あたりにセット。左足引き寄せ、右手折って、左手おろして、かかと着地、膝前払って押す。重心は前に。
※右手で押す、左手で押す、右手で押す、の3回行います。
5、手揮 琵琶(ショウホイ ピーパー) 琵琶をかかえている形
・楼膝 拗歩(ロウシー アオブー)で前に押していった右手を、少しだけ前に軽く引っ張られるようにします。そのとき前の足(左足)に一旦全部の重心をかけます
・すぐに後ろの足(右足)を半歩引き寄せます。
・次に後ろの足(右足)に重心を乗せていきながら、前に出ていた右手を引いて胸の前に移動させます。そのとき上体をやや右にひねります。
・同時に下の方にあった左手を正面鼻先の高さに出していきます。右手は左手の肘の内側あたり。やや右に向けていた腰を正面にもどします
・前に出ている左足は、置き換える感じでかかと着地(虚歩 シーブー)
・重心はほとんど後ろの足にかかっています。
※相手の腕をはさみこんで、折りくじいているイメージ。楽器の琵琶を抱えているような形。
※手揮 琵琶(ショウホイ ピーパー)は1回だけ行います。重心が後ろにかかる時も上体はまっすぐに、お尻を突き出さないようにします。目の前の左手を見ます。
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6、左右 倒巻肱 (ズオヨウ ダオジェンゴン)手を交互に回しながら後退する
1回目 開いて右手折って一歩うしろ、引き込んで押す
・左腕の肘のあたりに添えていた右手を右側に開きます。左腕をすっとそのまま前に伸ばします。両方の手のひらは上を向いています。
・右腕を折って右肩に敬礼の形を作ります。同時に左足は一歩うしろにつまさき着地。その足に重心をかけていきながら、敬礼していた右手を前に押していき、前に伸ばした左手を引き込んでいきます。
・両手は正面上下ですれ違うようにします。右手は正面を押している形で止まり、左手は下に引き込んでいくイメージで左腰のあたりで止まります。てのひらは上です。
2回目 開いて左手折って一歩うしろ、引き込んで押す
・左腰にある左手を左横に開きます。手のひらは上に。同時に前に伸ばしていた右手の手のひらも上に向けます。
・左腕を曲げ、同時に右足をつまさきから一歩後ろに着きます。その足に重心を乗せていきながら左手は前に押していき、右手は右腰まで引いていきます。てのひらは上。
3回目 開いて右手折って一歩うしろ、引き込んで押す
・右腰にある右手を横に開き、左手は前の方にてのひら上でのばします。右手折って左足一歩後ろ、重心乗せていきながら引き込んで押す。
4回目 開いて左手折って一歩うしろ、引き込んで押す
・左手横に開き、右手は前に伸ばし、左手折って右足一歩後ろ、重心乗せながら引き込んで押す。
※折っている右手は耳より上にしません。
※後ろに一歩引いていく左足は、右足とすれ違う時に、触れあんばかりにしてから拳1個半の開きを意識しながらつまさきから着地していきます。
※腕を引き込むとき、腰も同じ方向に少し回転していきます。
※この動作が完了した時、重心はほぼ後ろにかかっていて、腰の回転があるため、前の足が少し浮いた状態になっています。
※倒巻肱(ダオジェンゴン)は4回行います。
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7、左 攬雀尾(ズオ ランチュウウェイ)左から孔雀の尾をつかみ引くように
・倒巻肱(ダオジェンゴン)のあと左手は前を押している状態です。右手は腰のあたりに位置した状態。そこからボールを抱えていきます。(右手が上、左手が下)
・左足を一瞬引き寄せてからすぐに前にかかと着地。
※攬雀尾(ランチュウウェイ)は、「ポン」「リュ」「ジー」「アン」の4つの動作で一つの型です。
ポン(掤) 左手の甲で相手を押す
・下になっていた左腕を前に張り出すように肘を折って、手の甲で押し返すようにします。その手は胸の高さ。
・ボールの上を支えていた右手は斜め下方向に引いていき、右腰あたりをてのひら下向きで押さえます。重心は前にかかっている弓歩(ゴンブー)の形。
※相手の攻撃を抑える動作。
リュ(捋) 左に投げ上げてから引き落とす
・前を押している左手を、左斜め45度ぐらいに上げていきます。その手の動きに合わせるように右手を左腕肘のあたりまでもってきます。左手は下向き、右手は上向き
・そこからおなかのあたりまで引き下ろし(相手の腕をつかんで下に引っ張り落とすイメージ)、右方向に右腕を上げていきます。重心も前から後ろへ移動します。
ジー(挤) 引き込んだ手を胸前で合わせ両手で相手を押す
・上がっている右手を肘から折って手のひらを外向きにして胸の前までもってきます。その前の方に左手が手のひらを自分の方向に向けた形で待っていて、両方の手のひらを合わせて押し合うようにします。そっと添えている程度の力加減。
・後ろ(右足)にあった重心を前(左足)にかけていきます。弓歩(ゴンブー)の形。
※相手の攻撃に備えて、右手は相手の目を突いていける自由な緩みを含んでいます。
アン(按) ボールを持った手をお腹まで下ろしてから押し上げる
・押している両方の腕を胸の高さでひらきます。ボールを持った両手をお腹まで下げていきます。同時に重心は後ろの足にかけていき、ここで前の足(左足)のつま先を少し上げます。
・お腹まで下ろしたボールを柔らかく上げていき、前を押していきます。上がっていたつま先を下げ、重心を前にかけていきます。
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8、右 攬雀尾(ズオ ランチュウウェイ)右から孔雀の尾をつかみ引くように
同じことを向きを変えて、右側でも行います。
9、単鞭(ダンビェン)片手でムチを振るう
・押し返している両手のうち右手を下に下げていき、左手は前を左の方に払っていき、足先を正面方向に回していき、腰も正面方向に回転させます。
・下げた右手はぐるりと円を描き右の方(正面を南として西の方)にのばし鉤手をつくります。
・前を払っていった左手は円を描きながら右肩のあたりにセット、同時に左足を右足の足首あたりに寄せます。右手は鉤手、左手は右肩、左足は右足近く。
・左足を左方向(東)に大きく踏み出し、重心をかけながら左手で前を払っていきます。
・足は弓歩、重心は前の方に多くかかっています。
※両肩は水平に維持します。重心の移動と共に前傾していかないように。上体はあくまでも真っ直ぐ。
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10、雲手 (ユンショウ)雲をかきわけるように手を動かす
1回目 前を払っていきながら右足寄せて左足出す
・(単鞭からの続き)右手は鉤手、左に払っていった左手はおなかの前を通って右に寄せます。鉤手を開きます。
・手の上下を入れ変えます。(左手を上に、右手を下)。重心はまだ右足に乗っています。
・その手の位置関係を保ったまま前を左に払っていきます。同時に重心を左に移していき、途中で(手が正面にきたら)右足を左足の近くに寄せていきます。(拳1個ぐらいの間隔を空けて)
・両方の手が左方向に寄ったら、手の上下を入れ変えます(左手下、右手上)。
・その手の位置関係を保ったまま右方向に払っていきます。重心を徐々に右に寄せていき、手が正面にきたら左足を左に開きます。重心はまだ右足にのったままです。
2回目 前を払っていきながら右足寄せて左足出す
1回目と同じ。
手の上下を入れ変え(左手上、右手下)、左に払っていき、手が胸前にきたら右足寄せる。
左側に寄せた手を上下入れ替え(右手上、左手下)右に払っていきます。手が胸の前にきたら左足を左に出す
3回目 前を払っていきながら右足寄せて左足出す
1回目と同じ。
左手上、右手下で左に払い、右手上、左手下で右に払っていきます。右足寄せて、左足出す
・左方向に両手がいったら、右腕を前でぐるりと回して右方向で鉤手にしていきます。左手も右手の後を追うようにして回して右肩のあたりにセットします。単鞭の準備。
※腰の回転で両手を動かします。重心は絶えず右足に左足にと動いています。
※目の前を動いていく手を見るようにします。相手の攻撃を払っていく手です。
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11、単鞭 (ダンビェン)片手でムチを持つ 両肩は水平に
・8番目の単鞭と同じ
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12、高探馬 (ガオタンマー)高いところから馬を探す
・単鞭から一旦前になっている左足に重心を乗せ切って、右足を半歩寄せます。同時に鉤手を開き両手を返して、てのひらを上にします。
・次に後ろの右足に全体重を乗せて、右手を曲げ肩のあたりにセット。左手は前に伸ばしたまま固定。腰は少し右に回っています。
・右手を前に押し出していき、左手はてのひら上向きのまま、左腰の横まで引き込んでいきます。腰は正面に向くように回っていきます。
・左足はやや前に移しつまさきを置き換える感じでつきます(虚歩)。
※体が左に回ると同時に右手に視線を送ります。
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13、右 蹬脚 (ヨウ ドンジャオ)右足のかかとを蹴り出す
ここから斜めに踏み出す動作になっていきます。
・左手を右手の甲の上に突き刺し、両手を交差させます。同時に左足をやや引き寄せます。
・引き寄せた左足をすぐ左ななめ前45度ぐらいにかかと着地。重心をその足に移していきながら両手を両側に分け開きます。
・両手を下に垂らしていきお腹の前で交差させます。同時に右足は左足のそばにつけます。目は右方向を見ます。
・交差している両手を顔の前まで上げていきながら、右足は膝を曲げて高く上げ片足立ち。両手の下に右膝がきています。
・両手を左右に分け開いていきながら、右足をゆっくりと右前方30度ぐらいに蹴り出していきます。右手の下に蹴り出した右足があります。視線は右手。
・両手のてのひらは外側に向けて高さは肩の高さ。
※相手をかかと蹴りしている動作です。高く上げられない場合は、自分の可能な高さで蹴り出してください。バランスを崩さないようにこらえて。
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14、双峰 貫耳(スォンフォン グァンアル) 両手で相手の耳(こめかみ)を貫く
・(右足を蹴り出している状態から)右ひざを曲げて引き寄せ、両手は顔の前を通って右ひざの上に下ろします。てのひらは左右とも上に向けます。まだ片足立ち。
・右足を斜め前方30度のところにかかと着地。同時に両手を腰のあたりにおろします。まだ両てのひらは上向き。
・重心を前(右足)に移して右弓歩になりながら、両手を拳にして、横から斜め上に向って弧を描きながら上げていきます。
・両方の拳は、顔の前で顔の幅と同じ間隔、斜め向かい合わせにします。相手の耳・こめかみあたりを攻撃しているイメージ。
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15、転身 左 蹬脚(ズァンシェン ズオ ドンジャオ)
向きを変えて左足のかかとを蹴り出す
・重心を後ろ(左足)に移し、右足のつま先を内側に寄せ、上体を左にひねり、
拳を開いて両手を左右に分けます。
・目は左手を見ます。
・重心を右足に移して、両手をおろして、大きな物を抱えるようなフォームをつくりつつ、おなかの前まで垂らしていき両手を交差させます。
・左足を引き寄せ、つま先を少しだけ地面につけます。
・右足で体を支えて立ち、左ひざを曲げながら上げていき片足立ちになります。同時におなかの前で交差している両手を胸前まであげていきます。
・左足をゆっくり左ななめ前方へ蹴り出します。
・足を蹴り出すと同時に両手は顔の前を通っていき、弧を描きながら両側に分け開き、肩の高さに移します。
・左足の上に左手がくるようにします。
※左蹬脚は右蹬脚の180度後ろの方向に蹴り出します。
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16、左 下勢 独立(ズオ シャーシー ドゥーリー)
左向きの低い姿勢からの片足立ち 左 蹬脚( ズオ ドンジャオ)からの続き
・左足は膝を曲げて、引き寄せてから下ろし、上体を右にひねり、右手を鉤手にして、左手は顔の前を通して弧を描きながら右腕の内側にもっていきます。目は鉤手を見ます。
・右膝を深めに曲げて腰を低く落とし、左足は右足の内側を通って左へと広めに伸ばします。左仆歩(プーブー)の形。
目はずっと右鉤手を見ています。
・上体を左にひねり、左手を左足の内側から前に差し出していきます。目は前を動いていく左手を見ます。
・重心を前(左足)に移し、左膝を曲げてつま先を外側に開きます。
・右足はうしろにまっすぐのばし、つま先を内側に寄せます。
左手は体の前に伸ばしていき、右手は鉤手を返しながら(さかさまの鉤手)
体の後ろへともっていきます。
・重心を前に移動して、左足で身体を支えて立ち(独立)、後ろの右膝を曲げてももを高くあげていきます。右足のつま先は下に向いています。
・左手は、以上の動作と同時に下に下ろし、左腰のかたわらで下へおさえ、右鉤手を開いて下から前へと顔の前にあげます。目は右手を見ます。
※下勢の形になったとき、左足のつま先と右足のくるぶしは横一直線にします。
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17、右 下勢 独立(ヨオ シャーシー ドゥーリー)右の低い姿勢からの片足立ち
・右足を左足の前に下ろし、つま先着地。
・左足の前足底を軸にして、体を左に回します。同時に、左手を鉤手にして左側に上げ、右手は顔の前を通して弧を描きながら、左腕の内側へともっていきます。目は左手を見ます。
・左膝を曲げて腰を落としていき、右足を右へとのばします。目はひきつづき左手を見ています。
・左膝を深く曲げて腰をさらに落とし、右足をまっすぐにのばして右仆歩とします。
同時に上体を右にひねり、右手は右足の内側に添って前へと差し出します。そのさい指は前に向け、てのひらは左側に向けます。目は右手を見ます。
・重心を前に移し、右膝を曲げてつま先を外側に開き、うしろになった左足は真っ直ぐ伸ばしてつま先を内側に寄せます。右手は体の前にあげ、左鉤手は返して体の後ろへともっていきます。
・右足で体を支えて片足立ち、左膝を曲げて高く上げ、つま先を下に向けて右独立歩とします。同時に、右手をおろし、右腰のかたわらを押さえ、左手は下から前へとあげて顔の前へもっていきます。そのさい、てのひらは右へ向け、指は上に向けます。目は左手を見ます。
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18、左右 穿梭 (ズオヨウ チュアンスオ)左右斜めに掌を穿つ
穿梭(チュアンスオ) は「機を織る」意
腰を回しながら推す
・左足を前に下ろし、つま先を外側に開き、体を左にひねり、胸の前で両手を上下に向かい合わせ、ボールをかかえる準備姿勢になります。目は左手を見ます。
・右足を左足の内側に引き寄せつま先を地面につけ、両手はボールを抱えている形
・右足を右前方斜め45度の方向へ大きく踏み出すと同時に、右手を前に伸ばし、左手を後ろに引きます。目は右手を見ます。
・重心を前に移して、右膝を曲げて右弓歩。同時に右手を上に上げえのひらを返して上に向け、頭の右上方にかざします。右手は胸前に押し出し、指を鼻先の高さにおきます。目は左手を見ます。
・重心をやや後ろに移し、右足のつま先を外側に開き、上体を右にひねります。
・重心を右足に移し、左足は右足の内側に引き寄せ、つま先を地面につけます。両手は胸前で、ボールを持った形。目は右手を見ます。
・左足を左前方斜め45度の方向へ大きく出すと同時に、左手を前に伸ばし、右手を後ろに引きます。目は左手を見ます。
・重心を前に移し、左弓歩にします。左手は返して上に向け、右手は胸前に押し出し、指の高さは鼻の高さ。目は右手を見ます。
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19、海底針 (ハイディージェン)海底に針(剣)を差し込む
右つま先の角度は西北45°
・右足を半歩引き寄せ、右手を腰の前に下ろし、左手を胸前に下ろします。
・重心を右足に移し、右手の手のひらを内側に向けながら頭の右側に上げ、左手は
てのひらを下にして、お腹の前に下ろします。
・左足をやや前に移して、つま先を地面につけて左虚歩とします。
・同時に、上体を左にひねり、上体をやや前に倒して、それにつれて右てのひらを前方下の方にに差すようにして下ろします。そのさい、指先は地面に対して45度の角度をとります。
・左手は、左腰のかたわらを押さえるようにします。目は前方下段に向けます。
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20、閃通臂 (シャントンベイ)気を腕にひらめき通す
「臂」は肩から手首までの腕のこと
・上体を右にひねって直立し、左足を引き寄せると同時に、右手を顔の前に上げ、左手の指を右腕の内側にそえます。
・左足を大きく一歩出し、両手を上下にひきはなします。
・重心を前に移して左弓歩とし、左手を顔の前に押し出し、鼻先と向かい合わせにします。(相手の胸または脇腹に攻撃を加えるイメージ)
・右手は返して上にあげ、頭上右側にかざします(頭を守っている)。
目は左手を見ます。
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21、転身 搬欄捶(ズァンシェン バンランチェイ)
向きを変え、右手裏拳で打ち、左手で守り、右手縦拳で打つ
転身する時左足を十分内側に入れる
(バン 搬)
右膝を曲げ、重心を右に移して、左足のつま先を内側に寄せて、上体を右にひねります。右手は体の右側におろし、左手を頭上にあげます。目は右手を見ます。
重心を左足に移し、右手は拳にしておなかの前におろします。
右足は引き寄せてのち、ただちに前へ大きく一歩出し、つま先を外側に開き、上体を右にひねって、右拳を返しながら体の前に打ち出します(裏拳のかたち)、左手は腰のかたわらをおさえます。目は右拳を見ます。
(ラン 欄)
重心を前に移し、上体を右にひねり、右拳を返しながら右側へと平らに移し、左手は左から、前へ弧を描きながら相手を阻む動作をします。
左足を一歩前に出し、右拳は拳心を上に返しながら(更が下)腰に引き寄せます。左掌はてのひらを右に向けて体の前へともっていきます。目は左手を見ます。
(チェイ 捶)
重心を前に移して左弓歩にします。右拳は腰から胸前に打ち出します。そのさい、拳眼を上に向け(縦拳)、左手を右前腕の内側にそえます。目は右拳を見ます。
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22、如封 似閉 (ルーフォン スービィ)両手で相手を封じ込める
両拳は円を描いて引き寄せる
・左掌は右掌の下側を通して前へ伸ばし、同時に右拳を掌に変え、両掌とも上に向けます。
・重心を後ろに移し、両拳を肩幅の広さに開き、ゆっくりと手前へ引き寄せます。
・右膝を曲げて腰をやや落とし、体重を右足にかけます。左足はまっすぐ伸ばし、つま先はそらせ、両手は胸前で掌を下に返しておろします。
・重心を前に移しながら、両手は腹前から前へ押し出します。そのさい掌は前に向け、両手は肩の高さへと移します。目は前方に向けます。
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23、十字手 (シーズーショウ)胸の前で手を十字に組む
体を左に回す時、両手の高さは同じ
重心を後ろに移し、上体を右にひねり、左足のつま先を内側に寄せると同時に、右手を右側へ平らに移します。目は右手を見ます。
重心を左足に移し、上体を左にひねり、右足のつま先を内側に寄せて、右手は下へと弧を描いておろします。
体重を左足にかけ、両手は胸前で交差させます。そのさい、掌は内側に向けます。
左足を内側にやや引き寄せます。両足は肩幅の間隔をとって平衡の状態にします。両足はゆっくりと伸ばし、両手は交差させたままやや上げます。目は前方を見ます。
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24、収勢 (ショウシー)終わりの姿勢
両腕はゆっくりおろし、気も沈める
左右の手を開き、両腕を平行にして、両掌とも下に向けます。両腕の高さは肩の高さ。
両手をゆっくり下ろし、体の両側に移します。
左足を右足の内側に引き寄せ、体は自然な状態にして直立させます。
目はまっすぐ前方を見ます。
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手の形
掌・・・指を自然に伸ばして、手のひらをわずかにくぼませます。
拳・・・四本の指を自然に曲げて巻き込みます。親指は曲げた人差し指、中指の上に乗せます。固く握りしめないように。ウズラの卵をひとつ軽く握っている感じ。
かぎ手・・・親指の先に他の指を集めて、手首を下に少し折ります。