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山の景色のシルエット

更新日:1月28日

 (栃木県宇都宮市文挾町、上河内村西古屋)

 小来川温泉~鶏鳴山、西古屋~鶏岳

 1997年1月3~4日


 藪を漕いでの奮闘が稜線に達するまで続き、予想外の時間を要することとなった。さらに、午後の入山が影響して傾きかけた冬の日射しが落ち葉の山稜に長い影を引き始める頃、ようやく鶏鳴山(けいめいざん)の頂に達した。とりたてて素晴らしくも無い木の間越しの展望だったが、穏やかな冬の日暮れが詩情を増幅させた。時折梢を震わせる北風と落日に追われるようにして下山を始め、倒木の多い暗い杉林を脱して小来川温泉(おころがわおんせん)へ続く林道へ下り立って、ようやく安堵の息をひとつ大きくついた。

 翌日、風花舞う西古屋(にしこや)の集落から、鶏岳(にわとりだけ)の正規の登山道入り口を見送り、鉢巻林道の途中から入山。というのもたいした岩場もなく複雑な沢があるような山ではないので、一般ルートを漫然とトレースしたのでは面白味もなかろうと考えたからだ。石祠が鎮座する山頂からは、雪をつけた女峰山(にょほうざん)が冬の陽光を反射してまばゆいばかりだ。今年の干支は牛であるが、正月に干支に関係したふたつの山に登り、何か妙に目出度いような心持ちで静かな正月の山を後にした。


 

更新日:2月6日


(東京都日の出町)

養沢鍾乳洞~日の出山~御岳山~男具那峰~鍋割山~大岳山~大岳鍾乳洞

 1997年 1月12日


 男具那峰(御岳山奥の院)のオウム岩は、見上げるばかりの垂壁を冬空に向かって屹立させていた・・・

 うっすらと雪の残る養沢鍾乳洞の傍らを抜けて展望絶佳の日の出山に一足投で立つと、眼前に御岳山の山上集落とその左手には男具那峰が槍の穂先のように見えたのだ。

 予定にはなかったが新年一月のことでもあるので御岳神社に参詣し、その後天狗の腰掛杉から奥の院への急な雪道に入った。眼前に奥多摩らしからぬすっきりした岸壁(オウム岩)が近づいて来る。この辺りは初夏のシロヤシオツツジが美しいところだが、今は冬木立が落とす影が雪面に美しい文様を見せているだけだった。

 展望のない奥の院を過ぎて鍋割山に向かう。喧騒の縦走路に比べて、このルートは全く静かでトレースもごくわずかだ。芥場(あくば)峠で人臭い縦走路に合し、ハイカーが群れなす大岳山頂上で昼餉とした。

 下山は馬頭刈(まずがり)尾根から大岳鍾乳洞の分かれ道に入り、雪の深い沢道を下ったが、大滝を過ぎると鍾乳洞までもういくらもなかった。

 

 

更新日:2月6日

 (東京都桧原村)

 甲武トンネル~笹尾根~日原峠~数馬~鞘口峠~三頭山

1997年 1月15日

 

 日原峠にひっそりと佇むあの愛らしい道祖神に無性に会いたくなった。雪が斑に残る冬枯れ色をした山道の傍らで雨風に耐え忍ぶ石神の姿を思うと、矢も楯もたまらず家を後にした。

 上川苔からの浅間峠への取りつきは、残雪に隠されて全く分からず、そこで登山道こそなかったが笹尾根を貫く甲武トンネルの脇から強引に雪の急斜面を登って、幸いにも短時間で笹尾根上に達することができた。

 残雪の尾根をゆるく上下して、日原峠に至り、刻々と変わりゆく太陽光線を利用して、峠に佇む道祖神を夢中で撮影した。

 下山が早かった為に、数馬にある「都民の森」から鞘口(さいぐち)峠を経て三頭山へと向かった。峠を過ぎるとにわかに雪が深くなり、ひさしぶりに雪山漫歩を楽しむことができた。

 風のない冬晴れの午後。眺めのよくない三頭山東峰を敬遠して、さらに中央峰へ向かい、そこで富士山と対峙しながらゆっくりと昼食をとることにした。

 





 
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